2025.08.21/本・映画
街場の身体論とLUPIN THE IIIRD
Amazonプライムで「LUPIN THE IIIRD」シリーズ、血煙の五ェ門、次元大介の墓標、峰不二子の嘘、銭形と2人のルパンを観た。
まだ若い頃のハードボイルドなルパン一味。どこか殺気があり、裏社会の人間って感じ。こっちが本来の姿という気もする。
開眼した五ェ門の居合いの構えがカッコいい。
武道家であり哲学者の内田樹さんとヨーガ行者の王・成瀬雅春さんの対談本「街場の身体論」は、ヨーガと合気道の身体観が交流して、人体への洞察が深まっていくのがめちゃくちゃ刺激的だった。人間の身体ってそんなことが出来るんや!という驚きと感動がある。
道場に入った瞬間に合気道であり、準備体操からすでにヨーガ、というお話が面白かった。鍼灸マッサージ師にとっても施術室が結界。自分自身の延長のようなもの。床を水拭きしたりガラスを磨いたりして、この感覚を増幅、強化している。
「武道家はまず自分の結界を作る。結界を作って、そこに入って来たものについては活殺自在になる」
成瀬雅春さんの「歩いているときは、センサーの感度がいちばん敏感になっている」という言葉にハッとさせられる。たしかにそうかも、、二足歩行という不安定な状態だからこそセンサーが全開になる。めっちゃウォーキングしたくなってきた。
奥義・秘伝は最初に伝えるべき、というお話に膝を打った。出来る出来ないはあまり問題じゃない。あそこに行くんだよ、という目的地を知ることが重要。僕は師匠に恵まれていて、最良な技を見せてもらってきたことに感謝しかない。ああなりたいと今でも思ってる。
競争ということが上達の妨げになっている、という言葉に深く共感。楊名時太極拳の「競わない、比べない、争わない」という方針を本当に素晴らしいと思ってる。
300人の罪人の首を切ったといわれる、江戸時代の首斬り浅右衛門のお話がすごい。首を切る刹那の瞬間に、涅槃経の「諸行無常 是生滅法 生滅滅已 寂滅為楽」というお経を唱えたそうです。時間を割り、体を割る、という細やかな感性。
ヨーガの死者のポーズは、初心者にとっては“ただ仰向けに寝ているだけ”に思われてるけど、実際はいろんなところに力が入ってしまって難しいポーズらしい。太極拳でも“ただ立っている”ように見える予備式がめっちゃ重要というのと似ていますね。真にリラックスしてから動き出すのが大事。
この本は「身体で考える。」の復刻版なんですけど、最終章の13年後のボーナストラック対談が嬉しい。東アジア的な修行というのは「ひたすら道を前に進むだけ」というお話が好き。目的地がどこにあるか分からない。どこまで来たのかも分からない。とにかく道を歩んでいく。連続的な自己刷新、自己殺し。