2018.11.06/コラム

ミニマルなアイデア

「はり灸マッサージ院 牡丹」をスタートする前も、開業してからも、徹頭徹尾ずーーっと言い続けてるのが、「小ささ」「少なさ」「ゆっくり」といった価値観を大切にする、ということ。

 

これは断捨離やミニマリズムという言葉が広まる前から、僕が取り組んでいることでした。

 

勤め先の接骨院で分院長を任されてた時(13年前くらいですかね)も、引き受ける条件として接骨院の断捨離(まだ日本にそういう言葉は無かったけど)させてもらい、許されるものはすべて捨て去り、スタッフ全員で院内の大掃除(それまでやったことがなかった)をやってました(むちゃむちゃ楽しかった!)

 

2009年に弟と一緒に始めた「はりきゅう整骨サロン コスモス治療院」は「もし無印良品が接骨院をつくったら?」というのをテーマにしているので、接骨院としてはこれ以上ないってくらいシンプルになったんだけど、究極的に物を減らす、というよりもどちらかといえば「居心地のよさ」や「温かみ」を優先した院づくりを心掛けました。

 

そして今年2018年3月に自分専用の治療院「はり灸マッサージ院 牡丹」をオープンすることになったわけですが、当然のように最優先事項は「どこよりも小さく」「がらーん」としていて「究極的にシンプル」であること。

 

それは単純に「狭い治療院」ていうだけでなく、経営や治療のスタイル、治療院の外観や内装、ロゴ、ホームページや予約フォームなどのデザインなどあらゆるものに「小ささ」「少なさ」「ゆっくり」という価値観を浸透させることを目指しました。

 

これが本当に楽しい作業で、おそらく人生で一番頭を使ったし、興奮した。

 

僕は「大きくすること」「増やすこと」とか「競争に勝つこと」は考えるだけでブルーになってくるんだけど、「小さくすること」「減らすこと」「人に喜ばれること」だったらいくらでも知恵が出てくるんだなぁ、と実感しました。「あ、これ無くてもいいじゃん」「これも減らせるんじゃない?」と思いついた時の喜び!

 

具体的にどういうことかというと…

・施術者は一人(僕のことです)

・治療院として許される最小のテナントを見つける(今のこの場所のことね)

・デザイナーさんに究極的にシンプルなデザインを依頼(店舗、ロゴ、ホームページ、印刷物などをトータルデザイン)

・茶室をモチーフ

・白一色(茶道において「白」は清浄を表します)

・治療もシンプル&ベーシック

・鍼は「セイリン」、お灸は「せんねん灸」といった信頼のできるメーカーのみを使用

・治療メニューは一つ

・ベッドは一台

・駅近であることを諦める(石川橋は最高の場所ですが、どの駅からも同じくらい遠い)

・専用駐車場を持たない(コインパーキングを使ってもらってます)

・シンプルで使い勝手を追求したネット予約(治療院ではまだ珍しいんです)

・クレジットカード&プリペイドカードでキャッシュレス化(これも治療院では珍しい)

・クラウド会計で事務作業の効率化

・iPadを活用(3台持ち)

・極狭バックヤードを有効利用

・自宅も治療院の近くに引っ越し

・コンパクトな1Kマンションで小さな暮らし

・ベッドや食器(お皿とかコップとか包丁とか)、電子レンジやトースターなどを手放す

・白衣のみならず私服も制服化(私服はぜんぶモノクロです)

・「年中無休」(コスモス治療院時代)から「日・祝日休み」に

・時々、治療院をお休みいただいて、勉強会に参加したり、気功教室を開いたり(コスモス時代はなるべく控えてた)

・朝は10時のゆっくりスタート

・毎日のお掃除の時間をたっぷり取る

・本は電子書籍&図書館

 

もっともっとシンプル&ミニマルになるように今も試行錯誤しています。

こういう治療院のスタイル、こういう生き方もあるんだ、と面白がってもらえたら。それだけでとても嬉しい。

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