2018.03.02/コラム

最小の治療院

実家が旅館ということも影響しているんでしょうか、昔からなるべく「モノ」が少ないライフスタイルを送ってきました。物が何にもない「がらーん」とした部屋を、たまらなく美しいと思ってしまうんです。だからこの「はり灸マッサージ院 牡丹」を作ろうとした時も、「小ささ」や「少なさ」といった価値観を大切にした治療院にしたいと思いました。

 

テナント探しの時から、なるべく「小さな」物件ばかり探していました。日々の仕事を行いつつ、ちょっと手が空いたら、スマホやパソコンで物件探しです(この時期は人生で最もスマホを見てました)。名古屋中の物件を見てきましたが(1000件くらい)、一番「これは!」と思ったのが今の石川橋で、それまで弟と一緒に経営していた接骨院「コスモス治療院」と目と鼻の先だったことに不思議なご縁を感じました。まるでチルチルミチルの青い鳥状態です。

 

牡丹はわずか8坪ちょっとの治療院です。望み通り「小さな物件」だったのは嬉しかったんですが、想定以上に小さくて(しかも間取りが独特)、むちゃむちゃ大変な思いをしました。治療院や接骨院には、法律で「施術所は6.6㎡以上」「待合室は3.3㎡以上」という決まりがあり、それがクリアできるかどうかギリギリだったんです。

 

デザイナーさんの協力で無事に許可がおりましたが、どう考えたってこれ以上小さな治療院は作れないはず。もしかしたら本当に「日本一小さな治療院」かもしれません(だったらすごく嬉しい!)。

 

小さいがゆえに諦めなくてはいけないことも多かったんですけど、いろんなものを削り、手放し、減らしていくプロセスは本当に楽しかったです。夜中に、うわーこれも出来ない、あれも置けない、どうしよう⁉︎とアイデアを考えながら何度も笑ってしまいました(気持ち悪いですね)。

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