2018.05.15/東洋医学
『漢方薬事典』
NHKの「きょうの健康」による『漢方薬事典』を読みました。代表的な漢方方剤をおさらいするのにぴったりな本。とても見やすくまとめてあります。ちょうどこういうの読みたかった
『この本で学んだこと』
「陰陽」は病気に対する体の反応の性質を表す概念
「陰」は反応が低下した状態
「陽」さ反応が活発な状態
「虚実」は体力や、病気に対する抵抗力・反応の程度を表す概念
「虚」は体力がなく、病気に対する抵抗力や反応が弱い状態
「実」は体力があり、病気に対する抵抗力や反応が強い状態
【加味逍遙散】
産婦人科の三大漢方薬の一つ。
月経異常ゃ更年期障害など、女性特有の症状に用いられる。
虚弱でのぼせ、精神不安がある人に向く。
【桂枝加芍薬湯】
虚弱体質で、ふだんから胃腸の弱い、冷え性の人の下痢や便秘に用いられる。
過敏性腸症候群の代表的な処方。
【桂枝湯】
体力のある人向けの葛根湯と違い、「虚証」の人の風邪の初期症状に用いられる。
高齢者にも向く薬。
配合生薬の一つの「桂皮」はシナモンです。
【桂枝茯苓丸】
産婦人科の三大漢方薬の一つ。
「瘀血(おけつ)」を改善する。
【五苓散】
気血水の「水」が滞った「水滞」を改善する
水分の循環をよくして、無駄な水分を取り除いてくれる
【四物湯】
「血虚」に対する基本方剤
多くの漢方薬のもとになっている古くからの処方
女性によく用いられる
乾燥肌のトラブルや冷え性の改善にも用いられる
単独で使われることは多くない
【芍薬甘草湯】
痛みを止める頓服薬として古くから使われている。
こむら返りの特効薬。
筋肉のけいれんによる痛みによく使われる。
内臓の筋肉にも効果がある。
【十全大補湯】
漢方でいう「気」「血」が著しく不足している人の気力・体力を補う。
血の巡りをよくしたり、滋養強壮剤 効果のある10種類の生薬を配合。
不足を補う「捕剤」の代表的な方剤。
【小建中湯】
胃腸を意味する「中」を「建て直す」薬
虚弱な子供の体質改善などに使う。
【小柴胡湯】
胃腸や肝臓、呼吸器などに作用して、免疫力を高めたり、炎症を抑えたりする働きがある。
風邪がこじれた時にも用いられる
【小青竜湯】
風邪やアレルギー鼻炎などでよく用いられる方剤。
水のような鼻水や痰、くしゃみ、鼻づまり、咳などの症状がある時に用いられる。
眠気の副作用がない。
アレルギー性の目のかゆみや涙にも効果があることから、花粉症の時にも用いられる。
【真武湯】
虚弱な人の胃腸の不調によく用いられる。
虚弱体質の体質改善。
「水滞」によるめまいや冷え、むくみにも用いられる。
【大王甘草湯】
便秘に使われる代表的な方剤
【大建中湯】
冷えにともなう腹痛や膨満感を、温めることによって治す。
体力のない「虚証」の人向け。
【大柴胡湯】
消化器系に不調のある時に用いる。
便秘がちで胸脇苦満がある場合に処方される。
【当帰芍薬散】
産婦人科の三大漢方薬の一つ。
「血」の不足を補い、巡りをよくして、体を温める方剤。
「産婦人科の三大漢方薬」
・加味逍遙散 (女性の不定愁訴 )
・桂枝茯苓丸( 瘀血の改善 )
・当帰芍薬散 (冷えをともなう婦人科系疾患)
【八味地黄丸】
漢方でいう「腎」の働きを高める。
高齢者に用いられることが多い。
体を温め、冷えによる痛みを取る。
【半夏厚朴湯】
ふさがった気分を開く漢方薬。
古くから「気剤」の代表的な方剤。
自律神経失調気味の人によく用いられる。
のどの異物感のある人に処方される。
【半夏瀉心湯】
胃腸の不調全般に用いられる。
薬の成分の「黄芩(おうごん)」と「黄連(おうれん)」には胃腸の炎症を取る働きがあり、「半夏(はんげ)」には吐き気を止めたり胃内の水を取る働きがある。
【補中益気湯】
漢方でいう「気虚」の人に用いられる方剤。
胃腸の働きを整えて元気を補う。
元気を補う代表的な処方であることから「医王湯」ともいわれている。
【麻黄湯】
古くから風邪の初期に使われている。
もともと丈夫な人や、新陳代謝の盛んな子供に向いた薬。
風邪などの熱が出る急性症状の初期に用いられる。
インフルエンザにも使われることがある。
【六君子湯】
虚証の人に使われる代表的な胃腸薬。
・人参
・半夏
・茯苓
・朮
・陳皮
・甘草
この6つの生薬を6人の君子と見立ててこの名がついたといわれている。
僕の目標は東洋医学の根源に迫る、ということなので、鍼灸やあんまマッサージ指圧だけでなく、気功や漢方も深く学びたいと思っているんです。僕が一生かけても学びつくせない奥の深さ。死ぬまで退屈しないで済みそう。東洋医学の施術者という仕事に出会えて本当にラッキー。