2025.05.02/本・映画

ほうじ茶と動的平衡

マイボトル生活を始めたら、美味しいティーバッグを教えていただけるようになって嬉しい。日替わりでいろいろ楽しんでる。

 

三重県のマルシゲ清水製茶さんから出てるほうじ茶が澄み切った味でめちゃくちゃ美味しい。

福岡伸一先生の動的平衡は、分子生物学から見た陰陽論という感じでめちゃくちゃ面白かった。生命の本質を一言で表した魅力的なタイトル。人の体は分子の緩い“淀み”でしかない。

 

「バイオつまり生命現象が、本来的にテクノロジーの対象となり難いものだからである。工学的な操作、産業上の規格、効率よい再現性。そのようなものになじまないものとして、生命があるからだ」

鍼灸マッサージ師として心に残る指摘だった。

 

‪「圧力センサーは表皮細胞一つ一つが担っており、ミクロン間隔で私たちの全身を覆っているのです。さらに、ケラチノサイトはやがて垢になり、はがれてゆく細胞で、常に更新されているのです。つまりセンサーはいつもまっさらということになります」‬

‪皮膚が持つオートポイエーシスに感動する。‬

 

「人間の記憶とは、脳のどこかにビデオテープのようなものが古い順に並んでいるのではなく、『想起した瞬間に作り出されている何ものか』なのである」

これを読んだ途端、自分の過去の記憶が頼りなく感じてちょっと不安になった、、

 

19世紀の科学者アルトマンに名付けられたミトコンドリアは、ギリシャ語で「綾なす微粒子」という意味。すごいネーミング!

大学生の時に僕もパラサイト・イブを読んで、“ミトコンドリアとその宿主の人間は別の生命体”という説がめっちゃ面白いと思った。人は京という単位のミトコンドリアと共生する、複数の生命の集合体。

 

「生命は、作ることよりも、壊すことを一生懸命行なっている」

自らを壊しつつ、同時に再構築していく。これが生きているということであり動的平衡。

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