2018.03.02/コラム
頭寒足熱
僕が治療をする際に、よく口にするのが「頭寒足熱」。これは東洋医学における健康の基本。足元や手先をポカポカに温めましょうね、ということです。
誰でも経験していると思いますが、寒くなってくると、手や足が冷たくなっちゃいますよね。これは心臓から最も遠い手足が、まずまっさきに血流が不足するためです。
そうした状態をほっておくと身体全体のめぐりが悪くなり、健康を損なってしまいます。
肩こりや頭痛、腰痛も血流不足や冷えと密接な関係があるんです。手足をしっかり温めて「頭寒足熱」の状態をつくりあげること。 それが自然治癒力を高めることに繋がり、健康への第一歩になります。
そのための方法として、靴下がとても有効です。 僕の治療を受けたことのある人は何度も薦められた人も多いと思います。
靴下も、 五本指 絹か綿の天然素材 のものがオススメです。 足の裏からは毒素が排出されますが、皮膚と皮膚がぴったりくっついていると、出口がふさがれた状態になります。
五本指の靴下を履くことによって、排毒が促進されます。 素材として一番良いのは絹。 保温性が強く、そのうえ排毒作用も強いし、外からの毒を受けつけないという非常に優れた素材です。 綿は吸毒はしてくれるけれど、排毒の作用はありません。
そしてそれを重ね履きしましょうね。 一番下には綿か絹の五本指靴下を。 そしてそこからさらに天然素材の靴下を重ね履きしていきます。
2枚履くだけでも違いますよ。冷えの程度によって、3枚4枚と履いていきましょう。
そのために大きめの靴を買う人もいますよ。慣れるととっても快適です。一度やり始めたらやめられなくなるかも。
足の裏は直接内臓とつながっていて、最も汗腺が発達し、冷え・食べ過ぎ・循環障害の毒が多く出るところです。
別に運動をしなくても、一日にコップ一杯くらいの汗が出ています。いつも温かくして、清潔な状態に保ちましょう。 靴下が濡れたら、こまめに取り替えましょう。
それと頭寒足熱になるための方法として、「半身浴」も有効です。僕なんかもお風呂が好きで(温泉旅館の息子だったので)、たっぷりためた浴槽にざぶーっとつかるのは最高に気持ち良いですよね(ぜいたくですが)。
だけど、「頭寒足熱」になるための入浴法はちょっと違うんです。
正しい入浴法の基本は、いつも胸から下だけをお湯につけるようにするということです。 腕もつけてはいけません。
そして体温より少し高い程度の、37~38度のお湯に20~30分程度入ります。 するとだんだん身体の芯から温まってきて、汗が出てきます。
この入浴法だったら、湯ざめはしません。 (「万病を治す冷えとり健康法」より)
肩が冷えるようだったらときどきは肩までお湯につけたり、Tシャツなんかを着ながら入浴すると良いと思います。
汗が出にくい人は、口に水を含むといいですよ。 そうすると身体は「水分補給してくれるんだ」と思ってくれて、水はけがとても良くなります。
飲んじゃダメです。ときどきプッと吐き出して、また含んでください。 汗の量が違うと思います。
手先足先が冷たい状態では、せっかくの指圧マッサージや鍼灸治療も効果半減。ぜひ「靴下」や「半身浴」で、頭寒足熱になれるように試してみてください。おしゃれは足元から、ではなく、健康は足元から!です。
参考文献:万病を治す冷えとり健康法